スマートフォンの翻訳機能があるから、この先英語は話せなくても大丈夫?

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Q. スマートフォンの翻訳アプリは、正直どれぐらい頼れるものなのでしょうか?英文が表示されるだけでなく、発音までしてくれます。いつも持ち歩くスマートフォンにこんなに便利なツールがついていて、いつでも使えるのなら、この先、英語を苦労して勉強する必要なんてあるのだろうか?と思えてしまいます。翻訳アプリの操作方法さえ覚えておけば、この先、英語に困ることはないのではないでしょうか?それなら英語を勉強するよりずっと簡単なのですが。

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A. 「できるだけ楽をしたい」誰もが考えることでしょうね。だからこそ翻訳アプリのようなツールも開発されました。でも、スマートフォンの翻訳アプリに頼れるのは、「英語が全くできない人」の「最低限の意思疎通を図る目的」程度のみ、と考えておいたほうがよさそうです。

機械はやっぱり機械。人間が使う言葉の深い意味を汲み取ることはできない。

機械が得意なのは、パターン化された単純作業のみです。あらかじめ想定できて登録されているケースにしか、対応することができません。

 

これに対し、人間の思考はたいへん深く、豊かです。同じフレーズでも、その場の会話の前後の状況と「ニュアンス」が異なれば、全く違う意味になります。多少、間に入るべき単語が欠けていたり、語順が間違っていたりしても、人間同士なら無意識に読み取って正しく理解することができます。でも、スマートフォンの翻訳アプリには、そこまで深く読み取って正確に翻訳する技術はありません。

日常会話でさえ、日本の辞書には載っていない言葉がたくさん使われている。

普段観ている外国の映画やドラマの会話を例に取って考えてみましょう。出てくるすべての単語が、辞書に載っているでしょうか?

 

私は普段、英語学習も兼ねて英語音声と英語字幕で視聴することが多いのですが、分からないところで一時停止して言葉の意味を調べようとしても、辞書に載っていない!ということが本当によくあります。昔ながらの詳しい分厚い紙の辞書でさえそうです。これが「生きた英語」の現実です。

想定外のことには対応できないのが機械のデメリット。

翻訳アプリは、アプリ独自の辞書にない想定外のことには一切対応できません。だから、ほんの少し会話内容が複雑になると、すべて想定外のこととなり全く役に立たなくなります。意味不明の文章が返されるだけです。英語を日本語に翻訳しようとしたときの例で考えると、分かりやすいと思います。日本語を英語に翻訳したときにも、これと同じことが起こります。

特に日⇔英の機械による翻訳の限界は、とても浅いところにあります。頼らずにコツコツ頑張ろう。

この先どんなに機械翻訳の技術が進化したとしても、人間が行う翻訳に勝てるようになることは、絶対にないと断言できます。(機械が、人間の心を持つようになるのなら話は別ですが。)

 

「翻訳アプリがすごい」と喜んでいる人は、生きた英語に触れたことがまだない、会話らしい会話をまだしたことがない人と言えます。「なんとなく意味が通じた」だけでは、会話が成り立ったことにはなりませんよね。英会話を身につけたいと思っている人達が目指すのは、もっとずっとレベルが高いところのはずです。

 

英語圏の人と、会話らしい会話を楽しめるようになりたいなら、翻訳アプリに頼ることを考えるのではなく、これまでどおりコツコツ英語を勉強するのが正しい道です。がんばりましょう!