英会話のリスニングや発音は、なにか特別な才能があれば早く上達するのでしょうか?

f:id:diveintoheart:20181125221025j:plain

Q. リスニングが短期間で上達した人や、ごく普通に日本国内だけで育った人なのに英語の発音が上手、という人がときどきいるようです。努力せずに上達したのだとしたら、うらやましいです。彼らには何か特別な才能があるのでしょうか?

f:id:diveintoheart:20150909221944j:plain

A. そのような人たちの話を聞いてみると、リスニングの上達には、確かに音楽の能力が少なからず関係しているようです。また、普段日本語の「方言」と「標準語」を自然に使い分ける人も、なにか持っているようですよ。

絶対音感」がある人は、リスニングの上達が早い?

リスニングの上達には「聞き取って、どんな発音だったのかを理解する」ことが重要ですが、このことには「絶対音感」の有無が少なからず関係しているように思います。

 

絶対音感」とは、聞こえてきた音を「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」のどの高さの音か瞬時に判別できる能力です。この「絶対音感」がある人は、ない人に比べて、リスニングの上達が早いようです。

 

実は、私自身がそうなのです。私は4歳から音楽教室に通っていました。聴いた音をそのまま同じ高さで声に出したり、楽器で音として表現したりする訓練をしたことによって、絶対音感が身につきました。

 

当時はそのことが英語学習と結びつくなんて思いもしませんでしたが、社会人になってから始めた英語学習のうち、会話を耳で聞き取る力は、ほとんど苦労せずに自然に身についたことを実感しています。右も左も分からず受験した初めてのTOEICテストでも、リスニングパートのスコアだけは、いきなり420点でした。

 

私以外にも、私と一緒に音楽教室に通った妹も、同じ訓練をしたため絶対音感があるのですが、彼女は英語学習には全く興味がないのに、日本語字幕なしで楽しめる映画が数本あります。「『字幕にないことも話しているから、英語で聞きながら観たほうが楽しい』って、真剣に英語の勉強したことないくせに、なんで聞き取れているの?!」何回か繰り返し観ていたら、内容を理解できるようになったと言うのです。

日本語の「方言」と「標準語」二つの言語を使い分けている人は、そこに「英語」という言語が加わるだけ

日本語の、各地方の「方言」と「標準語」を普段状況に応じて使い分けて話す人は、頭の中に「方言」と「標準語」という二つの言語が存在していて、それを自然に切り替えて使っています。

 

そういえば私も、仕事のときは無意識に「標準語」を使いますが、「方言」は、地元に帰れば地元の方言が自然に出てきて話しますし、これまでに住んだ街の方言も複数、話せはしませんが理解することはできます。

 

例えば津軽弁。難解な発音や表現がたくさんあることで知られていますが、私の場合は、2年住んだら聞き取れて理解することができるようになりました。でも、理解できるようになるまでの過程で「この言葉は、標準語ではこういう意味」と教えてもらうような「勉強」は、一切した覚えはありません。それなのに会話全体の意味はしっかりつかめるようになっています。

 

このような、頭の中に複数の言語が存在していて、自然に切り替えて使うことができる人の場合、ここにもうひとつの言語「英語」を加えるのは比較的容易なことのようで、英会話習得においても上達が早いと言われています。

 

以上のエピソードに共通しているのは、「習得するために、さほど努力はしていない」こと。まとめて読んでみると、特定の能力が英会話習得にも影響している事実は、確かにあるようです。